「・・・救いようの無い奴だな。この期に及んでまだ足掻くとは。」
モモラーはそう呟くと、変なポーズをとった。口に縦にしたグーの手を当てている。
「ナニシテルノ?ツイニクルッタ?」
アフォしぃが呆気に取られてモモラーに視線を移した瞬間、
フッ
「ギャニャアッ!??」
アフォしぃは目を押さえて倒れた。モモラーはあの瞬間、空気を拳の隙間から物凄い
勢いでアフォしぃの目を目掛けて打ち出したのだ。空気弾という名の弾が当たったアフォ
しぃは、目を押さえながら悶えている。
「ジィィッィィィィ! シィノカワイイカワイイオメメガァァァァァ!」
「さ、ボロさん、貴方の手で・・。」
「・・。」
ギンは無言で散弾銃をボロに手渡した。
ボロは震える手で・・。自分の親。虐待ばっかりされてきた。でも、自分をこの世に生み
出してくれた母親。悪いことはすべて自分のせいにされながらも、時々笑顔を向けてくれ
た母親。その一匹の雌猫に銃口を向けた。
「シィィ・・・ヤメテ!タスケテェ・・オナガイ」
母親は泣きながら命乞いをしている。
ボロの目から不意に涙が溢れ、叫んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」
ズダダダダダダダァァァン!
「ジッギィィィィィ!!!!」
アフォしぃの体にまるで野いちごがなったかのような真紅の点々が出来た。
一瞬の後、アフォしぃの体の点々の場所から血が噴出し、アフォしぃはニ回転した後、
壁にぶつかって落ちた。アフォしぃ・・ボロとギンの母親はそれっきり動かなかった。
ボロは呆然と立ちすくんでいた。目から大粒の涙をこぼしながら。
ギンは目に溜まっていた涙を拭うと、ボロを後ろから抱きしめた。
「もう、苦しまなくていいんだよ・・。」
ボロは子供のような声で泣いた。
そのそばにモモラーと四匹のチビが近づいていった。
「お母さんの・・・お墓、作りましょうか。もちろん、三毛さん、フサさん、シロさん、
クロさんの分もね。」
モモラーと六匹のチビはもう動かない母親だった物を、小屋の裏の大きな杉の木の根元
に埋めた。
夏の終わりを告げる、トンボがモモラーと六匹のチビ達、そして整然と積んでいる墓石
の周りを飛んでいた。
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