私は驚愕した。しぃ美さん自体を虐待した張本人がこの場にいるのである。
・・・だとしたらなおさらしぃ美さんたちに会わせる訳にはいかない。
・・恐らくアフォしぃは私の畑の果物が目当てなのだろう。それだけで済めば良いほうだ。
私一人と思わせて面倒な事に発展させずにこの場をやり過ごすしかあるまい。


「私が出て行きます。留守を決め込んだら、家にまで入り込んでくるかもしれません。」
「ハイ・・・スイマセン、メンドウヲオカケシテ・・・。」
「モモヤマタン、ドコイクデチカ?チビタンモイキタイデチ!」
「シィモイキマチュヨウ!」
「駄目です。お母さんと一緒に家にいてください。しぃ美さん、この子をよろしく
お願いします。」
「ハイ・・・・」

さて、会ってくるとするか。しぃたちがこれで修まってくれれば良いのだが・・・。
私はしぃ美さんに家の中で隠れているように命じ、一人、外に出てしぃの前に立った。
アフォしぃたちの視線が一斉にこちらに向けられる。

「ハニャ!ヒトガイタノネ!」
「ソコノモララー!カワイイワタシタチニクダモノヲヨコシナサイ!」
「コトワレバギャクサツチュウトシテアボーンヨ!」
「えぇ、良いでしょう。ただし、条件があります」
「ハァ?クソAAノブンザイデシィサマニイケンスルキ?マァイイワ!イッテミナサイ!」
「果物を一定量とったらこの場は引き取ってもらえませんか?」
この場ですぐさま引き取ってさえくれればしぃ美さんを安全な場所まで逃がすことが出来る。
アフォしぃに狙われたとしても、しぃ美さんたちに被害が及ぶことは無いだろう。
だが・・。

「ウルサイワネ!シィタチニメイレイスルンジャナイワヨ!」
「イイカラサッサトクダモノヲヨコシナサイ!コノギャクサツチュウ!」

まいった・・。ここまで話の通じない相手だとは予想してなかった。
しかしこの場は穏便に済まさねば・・。しぃ美さん達に被害が及ぶわけにはいかない。

「ですから・・・。今日は好きなだけあげますからすぐ帰ってくれませんか?と言いたいんですけど・・。」
「ナニヨ!ソンナニシィタチガウザッタイトイイタイノ!」
「カワイイシイチャンヲウザガルナンテユルサナインダカラ!」
「ギャクサツチュウ!アボーンケッテイネ!」
「そんな・・・。」

アフォしぃ達が一斉に棍棒を振り上げた。もうその目は私を殺すつもりでいるのだろう。
残念だ・・。いくら頭が悪いとはいえ、ここまでだったとは・・。
このままでは家まで押し入り、しぃ美さんたちの身にも危険が及んでしまうかもしれない。
私は決心を決めた。

「つまらんぞ」
「ハァ?」
「ナニイッテルノ?コノヴァカ。キョウフデアタマオカシクナッチャッタ?」
「たかが果物を分け与えるかどうかで命を落とすのはつまらんと言っているんだ」
「ナニイッテルノ?アンタカズカゾエラレル?ショウガッコウカラヤリナオシテキタラ?」

アフォしぃ達は20匹前後。ここまで数が多ければ、負けるはずが無いと思っているのだろう。
しかし、そこが奢りだ。

「シィィ!カクゴシナサイ!」
「ワレラガダッコカクメイトウニメヲツケラレタノガウンノワルイトコネ!」

アフォしぃ達が一斉に飛び掛ってきた。
アフォしぃ達は棍棒を振り上げ、私に殴りかかってきた。
しかし、所詮棒術など使ったことがないのであろう。動きは滅茶苦茶、スキだらけである。
そのガラ空きの二匹の腹に向かって、上段蹴りを叩き込んだ。そして振り返り、一匹の顔面に肘を打ち込み、
もう二匹にはその肘打ち動作のまま拳を顔面にめり込ませた。その間、わずか二秒たらず。
計5匹。吹っ飛び、口から血や歯や嘔吐物を巻き散らかしながらその場に倒れこんだ。

「ジィ・・・イタイヨウ・・ポンポイタイヨウ・・」
「ヒィィィィ!ヒィノハワイイホアオハァァ!」
「ハハオレヒャッタヨウ・・・イヒャイヨウ・・」

しぃ達は倒れこんだ同胞に向かって、顔を青くしている。

「シィィ・・イッシュンデゴニンモ・・・」
「ナンテツヨサナノ・・・・」
「ヨッポドジュクレンシタギャクサツチュウナノ?」
「さぁ、これで分かっただろう。怪我をしない内に、果物をとってさっさと帰るんだな」

護身のために習っていた拳法がこんな所で役に立つとは・・。
もはやしぃたちに先ほどの戦意はすっかり消えうせ、怯えるように棍棒を私に向けながら震えていた。
私は、その情けない姿を見て、油断してしまったのかもしれない。
そう、一瞬だけ。
「ナニヨ、エラソウニ」

                ターン
「ぐはっ!?」

瞬間、腹に衝撃が走った。

「撃たれた・・・。」

そう思ったときは、すでにかなりの量の血が流れていた。
アフォしぃ達は、これを期と見たのだろう。

「ハニャーン!ヤッタ!」
「サスガカンブサマ!スゴイ!」
「カクゴシロ!ギャクサツチュウ!」

一体誰が・・・?幹部といわれたそのアフォしぃは・・。
紛れも無く、しぃ美さんが母と呼んだ、アフォしぃであった。
私は、それを最後に意識を失った。



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